今日2月7日は日本のカトリック教会にとって大きな日です。全国のミッションスクールでも同じ話がされることでしょう。

  
今日大阪では一人の戦国武将の列福式があります。一人のキリスタン大名が福者としてカトリック教会に認定されます。その人の名前はユスト高山右近です。彼は戦国時代から織田・豊臣・徳川時代に生きた大阪高槻出身の武将、また千利休の弟子といえば分かるように有名な茶人でもありました。そして何よりも一人のキリスト教徒でした。

 
ユスト高山右近は宣教師に協力しながら領地にキリスト教を広め教会を建設するなど、日本にキリスト教が広まっていくのに大きく貢献をしました。しかし時代は次第に豊臣秀吉のバテレン追放令や徳川幕府の禁教令が発布される中キリスト教徒にとって生きにくい、また迫害の時代へと変化していきます。

  
ユスト高山右近も自分の信仰を捨てるよう迫られますが、それを拒み、そのため彼は単に領地や財産を没収されるだけでなく、国外追放の処分を受けました。1614年彼は家族とともにフィリピンに流されます。しかし船旅の無理がたたり彼はわずかその40日後異国の地マニラで63才の生涯を閉じました。

  
ユスト高山右近は棄教を迫る拷問によって命を落としたのではありませんが、彼の死は信仰を貫き通した結果であり、その意味で殉教者であったわけです。キリスト教がもてはやされた時代にも、そして禁教令の嵐が吹き荒れた時代にも、彼は一貫して自分の信仰に忠実でありました。

  
『a man for all seasons』という映画があります。この映画はイギリス国王ヘンリー8世の命令を信仰の理由で拒否したトマス・モアの生涯を描いています。ユスト高山右近の生涯はこのトマス・モアの精神を連想させます。彼は「東洋のトマス・モア」とも言えるかもしれません。